医師になるために

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精神科医は心を診る

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幼児を例にとれば、1歳半健診で言葉の遅れを指摘された、他の子とどこか違う、癩癩がひどい、落ち着きがないなどを主訴に母親が相談に来ることも多い。

その場合、知的障害や自閉症、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を疑ってフォローしていかねばならない。

小学校に入れば、不登校、いじめ、授業中座っていられない、すぐに暴力が出るなどが主訴になる。

これも児童の精神科の範躊である。

またこの頃忘れてはならないのが、養育者からの虐待である。

親から虐待を受けた子どもは思春期や成人に重篤な心的外傷の後遺症を残す可能性が高く、精神科的な早期介入が必要なのである。

中学生・高校生になれば思春期の独特の悩み、就職してサラリーマンになれば、職場でのパワハラや燃え尽きによるうつ病、高齢者になれば物忘れが出現すれば認知症も疑わねばならない。

その他、覚せい剤などの薬物依存症、アルコール依存症など、取り扱う範囲は広い。

それに伴って一緒に仕事をする関連機関は恐らく他の科に比べ圧倒的に多いと思う。保健センター、保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、児童相談所、少年鑑別所、医療少年院、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設、児童養護施設、障害児施設、福祉事務所、市役所、警察、裁判所、弁護士事務所、一般企業などの担当者と一緒になって、患者さんをどう支援していくのかを考えていくのである。

精神科とは?

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あなたは精神科というと、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。

精神科医に会うと自分の心を読まれているのではとか、精神科医自体が何かしら精神的に変なのではといった印象を持たれることはないだろうか。

私も医学部に入ってからでさえ、精神科医と会って自分が変なことを口走ってしまうと、「ひょっとして今、私のことを精神分析しているのでは」と思ってしまい、どうしても近寄りがたい異質的なものを感じざるをえなかった。

また他科の医師からも「精神科に進む先生は変な人が多い」など聞かされたりして、「ああ、やはり精伸科医は自分自身も精神的に病んでしまうのか」などと思い、一時期、精神科医になるのをためらった時期もあった。

しかし実際、今こうして精神科医になってみるとほとんどが思い違いであることが分かった。

とは言っても、精神科は他の内科や外科に比べその性質が大きく異なる。内科・外科などは身体を診るので身体科とも呼ばれるが、診察対象は、その患者さんの臓器である。

例えば内科の腎臓専門医であれば、患者さんの腎臓を治すことが目的である。

眼科医であれば患者さんの目を診て治す、といった感じで目的は患者さんの体内一部を診て治すことである。違う言い方をすれば、その患者さんの背景、つまりその患者さんがこれまでどのような人生を歩んできたか、どのような性格でどのような仕事をしているのか、結婚はしているのか、子どもはいるのか、今幸せなのか、など基本的にそのようなことはどうでもいいのである。

患者さんが「実は私は一度離婚していまして……」と聞いたとしても、身体科の医師には疎ましいだけである。患者さんも基本的には体が治ればそれで文句はないわけで、私がたまに病院に受診に行っても自分の病気(例えば最近できた背中のデキモノなど)のこと以外に医師と会話することなどないし相当医も忙しそうなので関係ないことを言うと機嫌が悪くなりそうで不安である。

ところが精神科は身体科とは全く逆である。

その患者さんがどのような人か、これまでどのような人生を歩んできたのか、今どのような生活を送っているのか、どのような人に支えられているのか、どのようなことで苦しんでいるのか、などまさに生活史ともいえる情報が必要なのである。

その患者さんの心を診て治そうとする科なのである。

先ほどの「実は私は離婚していまして……」といったつぶやきがあろうものなら、それは開き逃してはいけない大切な情報なのである。

精神科というものは、患者さんの層も幼児から高齢者までの心全てを対象とする実に膨大な範囲を扱う科なのである。

はじめに

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当サイトでは、現役医師である管理人が、医師や医学部生の実態と受験成功のコツについてご紹介していきたいと思います。

これから医師を目指そうとされる方は参考になさってください。

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